GTOPXー宇宙ミッションベンチマーク

このページでは、実際の惑星間宇宙ミッションの軌道設計ベンチマーク問題をダウンロードできます。GTOPXライブラリは、2005年にESA(欧州宇宙機関)が発表した、広く知られる(ただし、現在は更新されていない)GTOPデータベースの拡張版です。GTOPXは10個のベンチマーク問題から構成され、新たに追加された最後の3つ(Cassini1-MINLP、Cassini1-MO、Cassini1-MO-MINLP)は混合整数および多目的最適化問題となります。 すべての問題で目的関数は最小化され、制約条件は0以上であれば実行可能です。 各問題の探索空間の下限と上限は、下表中のmainファイルで定義されています。

比較的容易なCassini1とSagasを除いて、GTOPX問題は一般に求解が難しいと考えられているので、研究者はこれらのベンチマークを解くのに苦労しても落胆する必要はありません。GTOPXライブラリが対象とするのは、高度なアルゴリズムを試す意欲のある経験豊富な研究者です。ベンチマークを解説している論文は、こちらでご覧いただけます。

 GTOPXベンチマーク

No.ベンチマーク名参照目的関数変数制約条件解 f(x) ▶ランドスケープ分析 ▶
1Cassini1NASA16 44.9307
2Cassini2Wiki122 08.3830
3Messenger (reduced)NASA118 08.6299
4Messenger (full)Wiki126 01.9579
5GTOC1Turin18 6-1581950.0
6RosettaESA122 0 1.3433
7SagasESA112 2 18.1877
8Cassini1-MINLPPaper110 43.5007
9Cassini1-MOPaper26 5paretofront.txtna
10Cassini1-MO-MINLPPaper210 5paretofront.txtna

GTOPX ソースコード/ライブラリ

ソースコード ▶ソースコード ▶
ライブラリ  ▼
Makefile ▶
Cmain.cgtopx.cppmakefile
C++main.cppgtopx.cppmakefile
Python main.pygtopx.dll  ( Windows 64bit )
gtopx.so  ( Linux 64bit )
gtopx.so  ( Mac 64bit ) 
Matlabmain.mgtopxmex.cpp
 GTOPXは次のライセンスにより公開: GPL license 

利用方法

C/C++
ステップ 1main と gtopx のソースコードをダウンロード
ステップ 2コンパイルして実行(例えば makefile を利用)
メモgtopx.cppファイルは、C言語とC++言語で異なる。C言語の場合、
gtopx.cppファイルの第555行目にextern "C"ステートメントを含む
Python
ステップ 1mainファイルとgtopxライブラリファイルをダウンロード
ステップ 2コマンド
python main.py
で実行
メモLinux・Macユーザーには、gtopx.soライブラリに必要なコンポーネントを
揃えるため、g++のインストールが必要になる場合もあり
Matlab
ステップ 1mainファイルとgtopxmex.cpp ファイルをダウンロード
ステップ 2Matlabを開き、現在のフォルダーを上記のファイルに設定
ステップ 3コマンドウィンドウで"mex gtopxmex.cpp"  を実行
このコマンドがシステム上にmexファイルを作成
ステップ 4メインプログラムを実行(例: mainでEnterキー)
メモmexコマンドの実行は1回のみでOK

MIDACOによる最適解記録

MIDACOは Cassini2GTOC1、およびMessenger (full) のベンチマークで既知最良解の記録を保持しています。注目いただきたいのは、Messenger (full) のベンチマークが最も難しい問題とされており、推定される大域解に到達するのに5年以上かかったことです(詳細はこちらの論文を参照)。

参考文献

著 者題 名掲載誌名/参照リンクリンク
Schlueter M.,
Mehdi N.,
Mohamed W.,
Masaharu M.,
Wagner M.
GTOPX Space Mission BenchmarksSoftwareX (Elsevier), Volume 14 (2021) https://doi.org/10.1016/j.softx.2021.100666Paper
Schlueter M.MIDACO Software Performance on Interplanetary Trajectory BenchmarksAdvances in Space Research (Elsevier), Vol 54, Issue 4, Pages 744 - 754 (2014)Preprint
Schlueter M., Munetomo M.A Mixed-Integer Extension for ESA's Cassini1 Space Mission BenchmarkProceedings of the IEEE Congress on Evolutionary Computation (CEC2019), Wellington, New Zealand, Jun 10-13, DOI: 10.1109/CEC.2019.8790045 (2019)Preprint
Schlueter M., Wahib M., Munetomo M.New state-of-the-art results on ESA’s Messenger Space Mission BenchmarkAdvances in Parallel & Distributed Processing, and Applications, Pages 669-681 (Springer) 2021Preprint
その他の参考文献はこちら▷